コスパ最高!おすすめのビンディングペダル6選と各メーカーの特徴を徹底比較
2017/08/08
ロードバイクに本格的に乗りたいのならば、フラットペダルからビンディングペダルへのステップアップは避けて通れません。
しかし、ビンディングペダルの種類の豊富さ、各メーカーによる形状の違いによって、どれが自分に合ったものなのか判断するのは難しいですよね。特に初めてビンディングペダルを購入する方は、どれがロードバイク用のペダルで、どれがマウンテンバイク用のペダルなのかもわからないかと思います。
今回は、ビンディングペダルに変更することによるメリット、デメリットから各ビンディングペダルメーカーの特徴、おすすめのモデルまでを紹介していきますので、ビンディングペダル購入の際のご参考にしていただけたらと思います。
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1. そもそもビンディングペダルって何?
ビンディングペダル(binding pedal)とはその名の通り、「結合するペダル」です。シューズのソールについているクリートと呼ばれるパーツを介してペダルをシューズに結合し、シューズとペダルを一体化させることができます。
2. ビンディングペダルに変更するメリット・デメリット
シューズとペダルの一体化は、サイクリストにとって大きなメリットを生み出しますが、その反面デメリットも生じてしまうことも。用途によってはフラットペダルの方がいいなんてこともあり、ビンディングペダルへの変更の際には注意が必要です。
2.1 ビンディングペダルに変更するメリット
まずは、ビンディングペダルに変更するメリットから紹介していきます。
2.1.1 ペダリング効率の上昇
ロードレースやロングライドを行なっていく上で非常に重要なのがこの「ペダリング効率」です。
ペダリングとはペダルを回すことですが、ビンディングペダルはフラットペダルでは不可能なペダルを「引く力」を加えることができるので、この効率を大幅に上げてくれるのです。
自転車はペダルを回すことで、その力を推進力に換える乗り物であるため、なるべく、効率よくペダルを回した方が力のロスが少なくなり、結果として安定した走行を可能にし、巡航速度を上昇させることができます。特に登坂の際、ビンディングペダルとフラットペダルでの大きな違いが出ます。
フラットペダルでは使用することができない筋肉を使うことができ、一部の筋肉だけに負荷をかけず、負担を分配することができるため、走行後の疲労度も軽減してくれます。
また、ロードバイク初心者の場合、ペダリングが下手であることが多いため、ビンディングペダルに変更した時にペダリング効率上昇の幅が大きく、差を実感しやすいでしょう。
2.1.2 見た目がかっこいい
ロードバイクを趣味にする上で重要なのが「自己満」です。見た目を追求するのもよし、速さを追求するのもよしで、ロードバイクに乗る目的は人それぞれ。十人いれば十個の自己満があるわけです。
ビンディングペダルを導入することにより、ロードバイク乗りとして一歩前進した感じを味わうことができ、所有欲も満たすことができます。また、何よりもロードバイク全体を見たとき、ビンディングペダルの方が絶対にかっこいいと思います。(あくまでも個人的な意見)
スタート時にノールックでキャッチ(ペダルにクリートをはめ込むこと)ができるようになったら、心の中でドヤ顔、なんてことも。
以上を踏まえて、私と同じようにビンディングペダルの方がかっこいいと思うようでしたら、フラットペダルからビンディングペダルへの変更は大きなメリットです。
ちなみに、自転車乗りにとっていかに自己満が大切かは、この漫画「じこまん」を読めばよくわかるので、興味のある方はぜひ!3巻完結で非常に面白いですよ。
2.1.3 雨の日などに滑らない
これは本当に危険ですよね。雨の日の通学通勤の際、自転車に乗っていて「キュッ」と足を滑らせて、ペダルから足が外れたという経験はないでしょうか。
サドルに座っていたらまだダメージは少ないですが、加速しようと立ち漕ぎをした時に滑らせてしまったら、最悪落車してしまうことすらあります。私は幸い足が滑って落車まではしたことがないですが、何度もすねを強打した経験はあります…。めちゃくちゃ痛いですよね。
ママチャリなどのシティサイクルならば、スピードも出ていませんし被害は小さくて済みますが、これがスピードの出るロードバイクだったらどうでしょうか。しかも前傾姿勢です。落車して大きな怪我に繋がるリスクが非常に高いことがわかると思います。
しかし、ビンディングペダルはこのような事故のリスクをほとんどゼロにしてくれます。シューズとペダルがくっついてますから。
2.2 ビンディングペダルに変更するデメリット
次にビンディングペダルに変更することによって生じるデメリットについて紹介していきます。
2.2.1 立ちごけは心の傷
誰しもが経験するであろう立ちごけ。私も何回か立ちごけを経験したことがあります。急に止まらないといけない時や信号待ちなど立ちごけとの遭遇は常に隣り合わせです。シューズとペダルがとっさに外れない時があるんですよね。
ロードバイクは基本的に車道を走りますから、車とぶつかってしまう可能性もあり非常に危険です。基本的に大きな怪我はしませんが、運が悪ければ、腕を骨折してしまうこともあります。
そんな立ちごけは、フラットペダルでは起こりませんので、これはビンディングペダルの最大の欠点であるかもしれません。
また、物理的な怪我よりも精神的な傷が大きいのが立ちごけの特徴です。ロードバイクに乗って、いかにもスポーティーな格好をしているのにもかかわらず、停まっている状態でこけるなんて…。
近くに子供がいたら「あの人、自転車で転んでるー。でもヘルメットしててよかったね。」と呟かれてしまいそうです。
いや、それならまだしも、意外と周りは静か。「もう、いっその事笑ってくれぇー。」と思ってしまうほど。立ちごけする瞬間、周りがスローモーションになり、人の抗えない運命を感じます。
2.2.2 費用がかかる
ビンディングペダルを導入するにあたって、必要なのがビンディングシューズとクリートです。ビンディングペダル自体が5000円だとしても、シューズが10000円、クリートが2000円したら、トータルで17000円かかってしまいます。初期費用がフラットペダルと違ってかかってしまうというのはデメリットと言えます。
また、クリートは消耗品ですので、磨耗してきたら交換が必要などといったランニングコストもかかります。
2.2.3 ビンディングシューズは歩きにくい
ビンディングシューズはロードバイクのために開発されたものであって、歩くために生まれたものではありません。従って、歩くことに関する性能はひどいもの。
シューズの底は硬いですし、裏にはクリートがありますので歩くたびにカツカツ音が鳴ります。歩き方もペンギンのようになってしまい、周りからの視線に少し恥ずかしい思いをするかもしれません(最近はロードバイク乗りが多いため、変な目で見られることはなくなったかも)。
街乗りにロードバイクを使うなど、歩くことが多い場面ではどうしてもデメリットが生じてしまいます。
しかし、このデメリットはロードバイク専用のビンディングペダル・ビンディングシューズを用いた場合によるもので、後に紹介しますが、MTB用のものを用いた場合には解消されます。
2.3 まとめ
■メリット
・ペダリング効率の上昇
・見た目がかっこいい
・雨の日などに滑らない
■デメリット
・立ちごけは心の傷
・費用がかかる
・ビンディングシューズは歩きにくい
以上よりビンディングシューズを導入するメリット・デメリットをご理解していただけたと思います。次からは各ビンディングペダルメーカーの特徴とおすすめのモデルを紹介していきますので、ビンディングペダルを導入してみたいと思った方はぜひ、ご参考ください。
3. ビンディングペダルメーカーの特徴とおすすめのモデル
ビンディングペダルを製作している各メーカー、SHIMANO、LOOK、TIME、SPEEDPLAYの特徴とおすすめのビンディングペダルを紹介していきます。
3.1 SHIMANO
【特徴】
・安価
・普及率が高い
・ベアリング精度が高い
・耐久性が高い
SHIMANOのビンディングペダルにはロードバイク用のSPD-SLとMTB用(オフロード用)のSPDがあります。
SHIMANO SPD-SLはベアリング性能が良いのが特徴です。また、上位モデルではカーボンが主な素材ですが、ステンレスプレートが踏面にあることで、磨耗や湾曲を軽減してくれています。
PD-5800からはエントリーとリリースのテンションを調節することが可能で、自分にあった強さにカスタマイズすることができます。
クリートには…
固定式のSM-SH10(赤)
センターフロート式のSM-SH11(青)
フロートセンターピボット式のSM-SH12
があり、シューズとペダルの遊びがそれぞれ異なります。赤が0度、青が1度、黄が3度の遊びがあり、遊びのない赤は上級者向けです。基本的に遊びがある方が膝への負担が小さいため、初心者は黄クリートを選ぶと良いでしょう。
3.1.1 幅広いユーザーに最適!PD-5800
カーボンコンポジットペダルで重量は285g。
ロードレースでは基本的にスタート時にクリートをペダルにはめたらゴールまで外すことはないため、ステップイン・ステップアウトのテンションは強めでいいのですが、こまめに外したりするような場面では、膝の負担になってしまいます。
また、ビンディングに慣れていないうちはテンションが高いと着脱の難易度が上がります。テンションを低めに設定した方がペダルの着脱が簡単なため、立ちごけもしにくくなるのです。
従って、このテンションを調節できるPD5800は初心者のうちから、やがてレースに出るときまで使用することが可能なので、おすすめすることができるモデルです。
3.1.2 ハイエンドなのに他メーカーより安い!PD-9100
次に紹介するのが、SHIMANOの最上位モデルPD-9100。重量は228gで、SHIMANOでは最軽量です。
重量が軽いのにもかかわらず剛性が高く、プロレベルの脚力にも耐えることができます。そもそもプロモ使用するモデルですし。SHIMANOの3年間保証もついているので安心して使うことができます。
今回、このPD-9100をおすすめしたのは、ハイエンドモデルにもかかわらず2万円ちょっとで購入できるからです。プロが使用する機材を一般の方でも使用できるのもロードバイクの面白いところですよね。
3.1.3 街乗りなら!PD-M530
先ほど、ビンディングペダルの導入は街乗りなどの歩く機会が多い時には適さないと説明しましたが、このMTB用のビンディングペダルならば、そのようなことはありません。
確かに、シューズとペダルがくっつくことに違いはありませんが、シューズの形状がかなり異なっていて、普段履いているスニーカーのように靴底が非常に柔らかくなっています。また、クリートも靴底から出っぱていないため、歩いてもクリートが地面に当たることがなく、非常に歩きやすいです。
シューズのデザインもスポーティーなものから、カジュアルなものまで展開されていて、幅広いニーズに応えています。
MTB用ビンディングペダルのクリートは以下のタイプになるので、SPD-SL用を購入しないように注意しましょう。
3.2 LOOK
・踏面が大きい
・クリート固定のテンション調整がカーボン板のモデルがある
・可動域(遊び)がSHIMANOより大きい
・クリートの構造上、歩いた時に滑りやすい(滑り止めが付いていないモデル)
言わずと知れたロードバイクフレームメーカーのLOOKは、今のビンディングペダルの形状を創った元祖メーカーでもあります。SHIMANOがLOOKのパテント(特許)を使用していることから、クリートの形から固定方式まで様々な面で似通っています。私も、LOOKのビンディングペダルを使用したことがありますが、SHIMANOに似た印象を抱きました。
LOOKの最大の特徴としては、クリート固定のテンションが上位モデルではカーボン板のしなりが使われていることです。カーボン板には8Nと12Nのものがあり、前者の方が柔らかく、後者が硬い上級者向きになっています。
ダイレクト感が強いという特徴を持っていますが、SHIMANOに比べると高価になるため、愛用者はSHIMANOに比べ少なめです。滑り止めがついていないモデルでは、歩行時クリートが滑りやすいので注意が必要かもしれません。
少し高めですが、耐久性、安全性を考えると滑り止めが付いているモデルを買うといいかもしれません。
LOOKのクリートは…
固定式の黒いKEOクリート
フローティング角度4.5度のグレーのKEOクリート
フローティング角度9度の赤いKEOクリート
があります。個人的にフローティング角度9度(赤)のクリートは遊びがありすぎて、固定感に欠けるため好みではありませんでした。おそらく、フローティング角度4.5度(グレー)くらいが万人受けするのではないかと思います。
3.2.1 初心者におすすめ!LOOK PEDAL KEO イージー プラス
イージープラスの重量は284g。余分なところを削ぎ落としてシンプルな形状にし、コストダウンを図ったのがこのモデルになります。まさにシンプル イズ ザ ベスト!
8〜12Nmとバネによるテンション調整が可能であるため、初めは弱めに設定し、後に強くしていくことができますので、長く使えるのも嬉しいですね。
多くのロードバイク乗りがSHIMANOのビンディングペダルを使っているため、他の人との違いを求める方に特におすすめです。
3.3 TIME
・軽い
・耐久性が低い
・機械的なかっこよさがある
・クリートが滑りにくいが、減りやすい
・膝に優しい
TIMEのビンディングペダルはSHIMANOやLOOKに比べ、非常に軽いといった特徴があります。ミドルグレードのモデルでもSHIMANOの最上位グレードよりも軽いのには驚きです。クリートも滑りにくく、他メーカーのクリートよりも安全性が高いです。
一方、欠点としては耐久性に欠けること。消耗品と割り切ってペダルを使う方ならいいのですが、長く大切に使おうという方には向いていないかもしれません。
機械的なデザインが好きな方はTIMEのペダルに痺れるものがあるのではないでしょうか。
TIMEのクリートは…
「カフェクリート」と呼ばれるcales iclic xpresso クリート
なぜ、カフェクリートと呼ばれているかと言いますと、カフェでも使用することができるというくらい、歩きやすくカツカツ音がしないから。
しかし、改良はされてきていますがクリートが減りやすいのが難点です。
3.3.1 軽さ命!Xpresso2
ロードバイクの絶対真理。それは軽さです。Xpesso2は228gと上位モデルXpresso4よりも軽い、軽量性を追求したモデルです。ヒルクライムする方にはうってつけですね。
価格も低く、初心者でも購入しやすいのも良い点です。
また、TIMEのビンディングペダルは足の可動域が大きく、他メーカーと異なり、左右にも動かすことができます。これが膝への負担を大幅に軽減してくれるそうです。
耐久性は低いため、ランニングコストはかかってしまうかもしれませんが、上記の2社とペダルの構造が大きく異なり、合う人には合うペダルなのではないかと思います。一部のユーザーから熱い支持を得ている理由がわかりますね。
キャッチ時の感触が病みつきになる人もいるらしいです。
3.4 SPEEDPLAY
・分解可能で手入れができる
・特徴的なデザイン
・キャッチが楽
・フリーフロートシステムが画期的
・ランニングコストが高い
・ダイレクト感が強い
・クリートのネジが緩みやすい
SPEEDPLAYは今回紹介したビンディングペダルメーカーの中で最も後発のメーカーで、それゆえに斬新的なデザインのペダルを生み出し、ここ数年で爆発的なユーザー獲得を成功しました。
今までのビンディングペダルは、クリートをペダルにはめる構造が当たり前でしたが、SPEEDPLAYのペダルはクリートにペダルをはめ込む構造になっています。このため、ペダルのつくりはシンプルになり裏表さえありません。
ペダルに裏表がないことから、ノールックでも確実にキャッチをすることができるという大きなメリットもあります。
愛用しているプロ選手も多く、デザインだけではなく性能面でも優れていることが証明されています。
私も、SPEEDPLAYのビンディングペダルを使用しているのですが、ダイレクト感やキャッチのしやすさは格別で、一瞬でこのメーカーのペダルの虜となりました。
欠点を挙げるとしたら、ペダルとは裏腹にクリート側が複雑な構造をしているため、クリートの価格が他メーカーより格段に高いことと、長距離走行するとクリートのネジが緩みやすいということです。
あと、低価格帯のモデルがないこともデメリットかもしれません。
SPEEDPLAYのクリートは…
8000円ほどしますが「フリーフロートシステム」を採用しており、これ一つで可動域も自由自在に調整(0〜15度)できるため、汎用性は非常に高いです。
クリートの値段が高いため、カバーを取り付けることをお勧めします。
歩きやすさを追求したクリートカバーも販売されています。
3.4.1 SPEEDPLAY ZERO ステンレスシャフト
クリートの構造が他メーカーより複雑なためクリート重量が118g(シューズが3つ穴式の場合)と重めですが、ペダル重量は206gと非常に軽いです。色のバリエーションが豊富なため、自分のロードバイクに合った色を選ぶことができるのもいいですね。
私は、クロモリシャフトのペダルを使用しているのですが、どうしてもはげた塗装の部分から錆が発生してしまいます。予算に応じて決めるといいと思いますが、長期間使いたいならばステンレスシャフトのペダルを購入するべきかもしれません。
キャッチは基本ノールック!(ドヤ)
価格は高いですが、予算があるならば初心者にもおすすめなビンディングペダルです。
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