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ロードバイクに乗るなら知っておきたい『ヘマトクリット値』について

      2016/06/19

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いきなりですが、皆さん『ヘマトクリット値』というものをご存知でしょうか。血液には水分をはじめとする赤血球、白血球、血小板など様々な成分が含まれていますが、血液中に含まれる赤血球の体積の割合を示したものをヘマトクリット値と言います。もちろん、ヘマトクリット値は人によって個人差があります。

ところでこのヘマトクリット値、ロードレースやマラソンをする人たちにとってかなり重要なものであるのです。

今回はヘマトクリット値の差が人に与える影響とヘマトクリット値を上げるための練習方法などについて紹介していきたいと思います。

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⒈ヘマトクリット値とは

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先ほど述べた通り、血液中に含まれる赤血球の体積の割合を示したものをヘマトクリット値と言います。ヘマトクリット値は血液検査によって調べることが可能で、この値が高いと多血症、低いと貧血と診断される傾向にあります。

しかし、この値には個人差があり男性ですと40~50%、女性の場合35~45%くらいが正常値となります。

 

⒈1ヘマトクリット値の測定によってわかること

ヘマトクリット値は赤血球の体積の割合を表す値であるため、赤血球の量に比例しているヘモグロビン量を大まかに示すことができます。ヘモグロビンは酸素と結合し、赤血球が血液によって運搬されるのと同時にそれとともに酸素を血流に乗らせ体全体に送ることを可能にしています。

従って、ヘマトクリット値が高いと多血症、脱水症などが疑われます。一方、ヘマトクリット値が低いと鉄欠乏性貧血や溶血性貧血、悪性貧血の可能性があります。しかし、体調によりこの値は変化するため一時的な異常である可能性もあります。

 

⒈2ヘマトクリット値が高いメリット

ヘマトクリット値が高いと理論的には酸素運搬能力が高いことを意味しています。ロードレースやマラソンをする人たちにとって、酸素運搬能力は切っても切り離せない関係があります。

やはり、効率よく酸素を運搬できた方が筋肉がエネルギーを生み出すのに有利ですし、運動中の息苦しさも軽減されます。

従って、ヘマトクリット値が高い方が運動をする時にはメリットが多いようです。(効率的な意味で)

 

⒈3ヘマトクリット値が高いデメリット

ヘマトクリット値が高いことは血液がドロドロであることも意味しています。血液の流れが悪いと運動などによって汗をかき体の水分が奪われた時に血栓によって血管が詰まってしまいやすくなります。

最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞を誘発してしまう恐れがあります。

従って、この値が高い人は夏場や運動時の脱水症状になりやすいようなタイミングで水分補給をこまめに行う必要があります。

しかし、正常値の範囲内ならばそこまで神経質になる必要はないようです。

 

⒈4ヘマトクリット値が低いメリット

この値が高い人のデメリットとは逆にヘマトクリット値が低い人は比較的血液がサラサラな状態である可能性が高いです。従って、血管を詰まらせる病気にはなりにくい傾向があります(ヘマトクリット値のことだけを考慮した場合)。

 

⒈5ヘマトクリット値が低いデメリット

ヘマトクリット値が低いと貧血である可能性が高いです。この場合、一般的に酸素が身体中に運搬される能力が低いため持久力を要するような運動では不利になってしまいます。

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⒉ヘマトクリット値を高くする方法

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ヘマトクリット値の個人差は遺伝にかなり影響されています。しかし、この値はトレーニングによって高くすることが可能なのです。一般的に長距離を走るマラソン選手やロードバイクで長時間走行するプロロードレーサーはヘマトクリット値が高い傾向にあるようです。

これらの選手がヘマトクリット値を上げるために実践しているトレーニングがあります。次からはそのトレーニング方法について紹介していきたいと思います。

 

⒉1高地、低酸素トレーニング

標高の高いところでマラソンのトレーニングを行う選手がいます。これは、低酸素状態で運動することによって身体が酸素が不足している状態でも効率よく酸素を身体中に運搬できるようにヘマトクリット値を向上させます。つまり、身体を低酸素状態に順応させているということです。

一回の呼吸で取り込める酸素の量が少なくなるため、いつもより早く息が切れをし、身体が重く感じることも早くなります。従って、このトレーニングは同じ運動をしていても標高が低いところで行うのとは別格に辛くなるのです。

 

⒉2低酸素トレーニングを行う時の注意

過度な低酸素トレーニングは頭痛やめまいを誘発します。身体が低酸素に順応するためには多少時間がかかるため、いきなりハードな運動をするのは危険です。

自分の体調をしっかり管理しながらトレーニングを行いましょう。

 

⒊ヘマトクリット値を上げるためのドーピング

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ヘマトクリット値を上げるためのドーピング方法として有名なのがEPO(エリスロポエチン)です。これは貧血時に赤血球量を増やすために投与する薬で、酸素運搬能力を向上させるために非常に有効です。

ロードレースにおいても血液検査で選手のヘマトクリット値を測定するのですが設定した値を超えてしまった場合にはドーピングとみなされ出場権を剥奪されてしまいます。

しかし、遺伝的に値が高い選手もいるためその場合は遺伝によるものだと証明できれば許されるようです。

先ほど述べたように、ヘマトクリット値が高いと脳梗塞などの病気を誘発してしまうリスクが高くなるので安全のため大会において基準値が設定されています。

 

⒋ヘマトクリット値が高いだけではダメ

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実はヘマトクリット値が高いから、運動能力が高いというわけではないです。この値が低いトッププロの選手もたくさんいます。逆に、値が高くても持久力のない人もたくさん存在します。

従って、運動能力の高さはヘマトクリット値に純粋に影響しているわけではないのです。運動能力には他の様々な要因が関係しています。血液検査の結果、値が低かったとしても過度な心配をする必要はないようです。

 

⒌最後に

自分の健康を把握しておくためにもヘマトクリット値を検査しておくと良さそうです。ヘマトクリット値は酸素運搬能力を測る一つの指標に過ぎないので、これが高いから速いなどということはできませんが関係していないわけではないので、トレーニングするにあたって一つの目安にすることが可能です。

今回の記事で『ヘマトクリット値』に興味を持った方は是非検査してみることをおすすめします。自分の能力が数字として出るのは結構面白いものだと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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